美容外科に入職する看護師の心得

一般病棟と美容外科の違い

これははじめて美容外科で働く看護師がもっとも戸惑うギャップです。美容外科は、「美容のサービス業」というまったくの別世界であると思っておいた方がよいでしょう。美容外科クリニックは、美容を専門とした先進医療を提供しており、美容外科は医療サービスであることの心がけが大切です。美容外科には「美しくなりたい」という強い意志を持った健康な方が訪れるため、病院以上に直接クレームがお客様から届きます。もちろんミスが許されないとともに、結果にもこだわる必要がある職場です。思い描いた施術後のイメージとは異なること、説明した事柄が異なることは、クレームにつながります。自由診療の美容外科は患者さんによって効果の出方も違うため、看護師はしっかりコミュニケーションを取ることが大切です。

人間関係のトラブル

転職を希望する方の多くは人間関係が良いクリニックで働きたいのではないでしょうか。実際に、転職・退職の多くは人間関係のトラブルが原因だと言われます。職場での人間関係がうまくいかないと大きなストレスになるため、ここではもう働けない、早く退職したいと考えてしまうと思います。ただ一つ、忘れないでほしいのは「その悩みは本当に転職することによって解決できますか？」ということです。転職さえすれば良い人間関係を築けるとは限らないということです。人が集まる組織である以上、どんな職場であれ、人間関係がうまくいかなくなることはありえます。しかし、それは「美容外科だから」ではないはずです。看護師として働く前に、学校やアルバイト先で人間関係に困ってしまったこともあると思います。どうしても働いていくことが難しい場合、転職も一つの手段ではありますが、働きたかった美容外科を辞めてしまうのは本当にもったいないことです。

研修体制とフォロー体制

初めての美容外科勤務では、多くの場合研修カリキュラムが組まれていて、必要な知識を学ぶことができると思います。ただ、その研修の充実具合はこれまでに働いてきた病院の研修とは比較にならないかもしれません。新しく入った看護師にも早く戦力となって現場デビューしてほしいという考えの美容外科も多いので、未経験者歓迎、研修体制も充実という記載があったとしても、一般の病院ほど充実したものではないと覚悟しておいた方が無難です。プリセプターを置かないクリニックもあるため、なかなか自分から質問をすることができずに悩んでしまう看護師も多いです。入職直後はわからないことがたくさんあって当たり前。時間が経つほどますます質問しづらくなってしまうので、遠慮せずとにかく積極的に学んでいこうというスタンスがとても大切です。