美容外科看護師の給料は、大規模な病院で働く看護師と比べるとありえないほどの待遇です。美容外科の求人を見ると、日勤のみでありながらその多くは基本月収30~40万円で、中には50万円以上というところもあります。大病院でもなかなかこれほどの高い給与のところは見つかりません。
美容外科が自由診療であることは、一般的な形成外科や整形外科との最も大きな違いです。自由診療は、健康に関わる治療ではないことから、厚生労働省が承認していない高価な薬や治療を使うこともあります。また、自由診療は全額自己負担となり、診療報酬制度が適用されていないため、ベッド数や医療スタッフの配置などについても一般的な病院の規定数とは違ってきます。診療報酬で制限されていないため、各病院で自由に施術内容を設定することができます。
美容外科にも医療法や医師法に定められた規定はもちろんありますが、一般的な病院で行われる診療と比べると、自己裁量が遥かに大きいことは確実です。
サービスの提供に制限がないということは、美容外科の大きな特徴としてあげられます。美容外科は、健康上の問題があるわけではないため「治療」という概念から外れています。「治す」目的で通院するのではなく、個人的な満足感を得るために通うのが美容外科です。患者が納得し、満足するまで施術を受けることができます。「患者」というより「お客様」と表現した方が、美容外科では正しいかもしれません。
また、診療の延長としてドクターズコスメなどの化粧品を販売することが可能です。そういった商品の販売は、「患者のために、療養の向上を目的として行われるもの」であれば問題ないとされています。回数や期間に制限がなく、比較的自由に物品の販売ができることは、美容外科の大きな特徴といえます。
一般的に病院は診療報酬制度による制限を受けるため、勝手に収益を上げる施策を打つことはできません。しかし、美容外科は医療保険の適用から外れており、提供するサービス内容や価格は自由に設定してコントロールすることができます。
ただし、極端に高い価格設定をしてしまうと、ほかのクリニックに顧客が流れて競争に負けてしまう恐れがあります。縛りが少ない美容外科だけに競争は激化しています。しかし、多少料金設定が高くても、腕が良ければ顧客は集まります。美容外科では事業所全体の収益が看護師の給与に直接反映されやすいということがいえます。
すでに美容外科への転職活動を始めている看護師の方は薄々気付いているかもしれませんが、美容外科看護師の求人探しは簡単ではありません。なぜなら美容外科看護師の仕事は人気が高いだけでなく、看護師求人全体のわずか0.5%以下という求人数の少なさで、狭き門に応募が殺到してしまうのです。美容外科への転職を希望している方はつい飛びついてしまいがちですが、あとから後悔しないためにも事前の下調べをきちんとすることが大切です。
華やかなイメージのある美容外科の看護師ですが、その仕事内容は一般病棟の看護師とどのように違うのかを確認してみましょう。美容外科看護師の主な業務は、医療行為・カウンセリング・運営業務の3つに分類することができます。メイン業務となるのは外科手術の介助や準備、患者様のアフターケアなどの医療行為ですが、カウンセリング業務も美容外科に勤務する看護師の重要な役割です。美容医療に関する知識とカウンセリング力を磨く必要があります。
看護師の転職先として、美容外科が大人気です。美容外科の多くは「残業や夜勤が少なく給料が高い」という好条件のため、美容に興味のある看護師のみならず、出産や育児などで夜勤や残業が難しい看護師にとっても美容外科は働きやすく魅力の多い職場といえるでしょう。また、美容医療や施術を社員割引価格で受けられることも人気の理由となっています。お客様の「キレイになりたい」という想いによりそうことも美容外科看護師ならではのやりがいです。